office-hayashi.net

トップページお問い合わせ

 

私にとってのコーチング

2003.11.4


 私がコーチングを学び始めて2年以上がたちました。今もコーチングに関わって生きていますし、人生の大きな一部分になっています。最近は書店でもコーチングの本があふれ、用語としてなんとなく聞いたことがある人も増えてきました。しかしまだまだ「コーチングって何?」という方も多いことでしょう。そこでこのページでは私が2年間触れてきたコーチングの世界を、私の視点で語ってみることにします。

 きっかけは、仕事がある程度軌道に乗ってきて、そろそろ次の展開を考えなくてはと思っていた頃に、榎本英剛さんの「部下を伸ばすコーチング」という本をたまたま書店で見て読んだことでした。その本に書かれている価値観が非常に共感できたことから、一度講座を受けてみたいと思い、榎本さんにメールを書き、その後開講されたワークショップに行ったのが2001年4月、本を購入してからすでに1年経っていました。

 私が通ったのは、榎本さんが主宰するCTIジャパンコーチング・ワークショップでした。ワークショップではただ講義を聞くのではなく、体験を通じた学びが重視されます。机もなく、参加者が丸い輪の形で座り、2人組や3人組でのコーチングの演習、そしてそれを通じて感じたことの振り返り、共有が繰り返されました。約1年間かけて基礎コースから応用コースまで全5回、合計15日間で126時間のトレーニングを修了し、今に至っています。

 ワークショップでは、コーチ役とクライアント役を交代しながら演習が進められますが、仮想のロールプレイングではなく、自分のリアルな話題をクライアントとして提供していくので、クライアントの立場のときは、実際にコーチングを受ける体験になります。そのためワークショップを進めていくうちに、自分自身が変化していくことが多いのです。実際私もそうでした。

 コーチングでは、自分の内面を見つめていく質問が多く、自分というものにじっくりと向き合う時間が増えました。そして本当に自分が望んでいることは何か、大事にしている価値観は何かといったことが次第にはっきりしてきます。またその際に現れてくる「どうせできないよ」とか「そんな能力はないじゃないか」といった、自分の内なる声に負けないようにコーチがサポートしてくれるので、徐々に自分の本当に行きたい方向へ進んでいくことができ、気がつくと、以前よりずいぶん変わっていた自分を発見したりします。

 そしてコーチングを受ける時間以外の日常生活でも、自分に対して問いかけをしたり、何かに対して感じたことに意識を向けて、それについてもう一度考えてみたりと、そんなことを当たり前のようにするようになりました。自分は今、何を感じているのだろう、何を大事にしていて、どうしたいのか。そんなことを問い掛ける日々は、自分の人生をまるでスルメをかじるように丹念に味わう日々となりました。かめばかむほど味が出るといった感じで、同じ時間を生きていても、今までの何倍も深く人生を生きている実感があります。

 またワークショップの場や、そこで出会った仲間の存在も大きかったと思います。もともと私は実習を重視するセミナーは苦手だったのですが、CTIのワークショップでは、失敗が奨励され、安心して失敗できる、安全な場が提供されていました。リーダーやアシスタントといったスタッフの見守る目も大変あたたかく、ワークショップの場全体がなんともいえないサポートフルな雰囲気に包まれていたおかげで、失敗することの恐れから少しでも解放され、新たな学びを得る為にチャレンジできたのだと思っています。またそこでできた仲間も、お互いに自分の内面をさらけ出し、サポートしあった仲間ということもあり、生涯にわたってつきあえる友人がさくさんできました。

 現在も、応用コースを修了した同期や、修了生同士の交流で出会った仲間や、一緒にリーダーシッププログラムをアメリカで受けた心友たちと、勉強会で一緒になったり、ワークショップを主催したり、ただ単に飲みに行ったりしながら、なんだかんだと顔をあわせています。頻繁に会う人はもちろん、あまり会えない人であっても、常にどこかしらつながっているように感じられるのが不思議です。

 CTIで学んだコーチングは、人の心の奥底の本質を揺さぶり、そこに眠る炎をふたたび大きく燃え上がらせるとてもパワフルなものでした。自分の人生をより充実した、味わい深いものにしていくために、コーチングは役に立ちます。きっかけがあるようでしたら是非一度触れてみてください。

 


Home|Mail|

 
 
(c) 2001 Copyright Hayashi Office