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開業を考えている皆さんへの手紙

98.12.14 


これは以前いただいたご質問に対する私なりの返事に若干手を加えてご紹介するものです。質問内容はこれから開業して食べていけるのか不安である、そして将来有望な分野は?というものでした。質問内容から見てこれから開業を考えている方には共通の不安だと思ったので、まずこれを開業をお考えの皆さんへの応援のメッセージとして贈りたいと思います。


お問い合わせありがとうございました。
あなたの抱いている不安は恐らく開業を考えたときに誰もが感じるものだと思います。経営が成り立つのか、食っていけるのかという類いの質問には私は簡単に「大丈夫」とは言えませんしまた「食えないから止めておきなさい」とも言いません。

なぜならこれはとても個人的な問題だからです。現に社労士でちゃんと食べている人はたくさんいますし最近開業して3年以内に1000万円以上の売上のある人もいます。しかし一方では数年でサラリーマンに逆戻りという人がいるのも事実です。また貧乏でもいいと思うか、お金をたくさん欲しいと思うかでも捉え方が違ってきます。貧乏でもこの仕事ができればいいと思えば、収入はそこそこでもやっていけるでしょうし、お金をたくさん稼ぎたいと思う人ならば他の仕事を選んだ方が手っ取り早いかもしれません。それからこれはどの仕事にも言えますが誰でもうまくいく仕事なんてないですよね。ですから社労士は開業しさえすれば食っていけるというのは間違いですし、しかしそうかといって決して食えない仕事でもないのです。こういってしまうと身もふたもないので少々データを出しますが以前社労士向けのアンケートを元にした調査結果を読んだときの記憶では開業5年以内と5年以降の年収に大きな差がありました。また一般的に開業したら3年間は辛抱の時期と言われています。

これらのことと私の経験を考え合わせると

1.開業して3年頑張れれば何とかその後も続けられる。
2.開業5年経てば収入もある程度安定してくる。

と言えるのではないでしょうか。

私は割とのんびりとした方ですし営業も決して得意ではないので1000万円などまだまだですがそれでも3年やるとさすがに私でも何とかやっていけそうだなと思えてきました。ですから1.の3年説はある程度正しい気がします。それからあと2年あれば収入もある程度になるのではという予感もあります。我々の仕事は(特に最初のうちは)1年ごとに倍倍で収入が増えるとも言います。不思議なもので仕事が一旦増えだすとあっという間に依頼が増えてくるのです。今はまだ予感の段階ですがあと2年経てばアンケートの真偽も定かになるでしょう。とするとポイントはいかに最初の3年を踏ん張るかにかかってきます。よほど才能や営業力、人脈などがある人でなければ3年間は人に言えないほどの低収入を覚悟しなければならないでしょう。逆にその覚悟とその期間耐えられる金銭的裏付けがあれば何とかなる確率はかなりアップすると思います。そうは言ってもやはりうまくいくのだろうかという不安はぬぐい去れないと思います。とすると最後はどれだけ社労士という仕事をやりたい気持があるかにかかってきます。多くの人は開業前はもちろん、開業してしばらくはこの不安に常に襲われます。しかしこの仕事を志したときの気持ち、この仕事がしたい、この仕事をなんとしても成功させたいという気持ちがあるから貧乏にも耐えていけるのです。ですから不安な気持ちよりこの社労士の仕事をやりたいという気持ちが大きくならないうちは開業に踏み切れないでしょうし、開業しても長続きしないでしょう。つまり「経営が成り立たないようならやめようか」と思っているうちはやらないほうがいいということです。他人がどう言おうが「私は何としてもこれをやるんだ」という気持ちにさえなれば半分成功したようなものかもしれません。
ご自分の心の中に問いかけてみて下さい。

次にに社労士の活躍できる分野についてですが

  • 人事コンサルティングの分野
  • 助成金の提案を通じた雇用管理の改善指導
  • 手続きや給与計算を超えた総務部門の包括的なアウトソーシング
  • 保険・退職金など含めた総合的な企業内福利厚生制度の設計

など従来の業務の外側に向けて我々の開拓できる分野はたくさんあります。また従来からやっている労務相談の分野でも介護保険の導入にからんで福祉関連の施設への指導の需要が見込まれます。それからHPでも書きましたが労働法が司法試験の科目からはずれ、労働法を知っている弁護士が減ってくるということからしても、社会保険労務士が労働基準法など労働法に強くなり、理論と実務解決能力の両方を高いレベルで身に付けていけば、それだけで充分顧客にとって価値のあるサービスが提供できるものと私は考えています。

これからは従来の社労士の枠にとらわれない自由な発想を持ち、今までの社労士の利点を生かしながら業務を外にひろげていく、何々士という名前にとらわれず顧客に価値のあるものを提供していくというやり方をしていくことがこれからの士業者の生きる道であると思います。規制緩和の流れの中、法律で守られてきた既得権益に頼るのではなく、自分の能力のみで生きていくのがこれからの士業です。きびしいですがやりがいはとてつもなく大きいと思います。ですから私もまだまだ足りない所だらけですが、未来を前向きにとらえて今を地道に頑張っています。是非未来を信じてこの厳しくかつ楽しい世界に仲間入りされますことをお待ちしております。

最後に皆さんにこの言葉を贈りたいと思います。
「なりたいと強く願い続けていれば、あなたはそうなりたいと思う存在に必ずなれる。」

長くなって申し訳ありません。
ではまた。


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